クアオルトとは
■クアオルトについて
クアオルト(Kurort)とはドイツ語で、クア(Kur)「治療・療養、保養のための滞在」と
オルト(Ort)「場所・地域」という単語が統合された言葉で、「療養地」という意味になります。
ドイツのクアオルトは、国が認定した特別な地域(基本的には自治体)で、4つの療養要因
(土に由来する温泉や泥・蒸気、気候、海、クナイプ式)で医療保険が適用される地域です。
入院・通院様々ですが、最長3週間滞在して治療をします。
現在は、治療客だけではなく、自費で健康づくりに活用する人が8割以上を占めており、
その意味では、療養地というより健康保養地の性格が強くなっています。
→ 詳細は「日本クアオルト研究機構 > クアオルトについて」をご参照ください。
■日本型クアオルトとは
先進地のドイツは、クアオルトのような医療保険が適用になる自然療法やホメオパシー医学、現代医学を選択できる統合医療です。クアオルトは、医療保険が適用される場所なので、専門医や医療機関のほか、様々な施設が必要です。ハード・ソフトともに、質の高いものが必要となり、クアオルトを実現するために、建設経費や運営経費も膨大なものになります。
一方、日本の温泉を取り巻く環境もドイツとは異なり、医療保険の適用は受けられません。
クアオルトが理想的だとしても、ドイツの仕組みそのままでは、日本の風土や文化、国民性に馴染まない部分がでてきます。
ドイツを基本としながらも、日本の風土や文化、国民性に合わせた健康保養地を整備し、
そこで健康づくりのプログラムや仕組みを提供しながら、自治体をあげて健康づくりに取り組める社会環境の整備が求められています。
→ 詳細は「日本クアオルト研究機構 > 日本型クアオルト」をご参照ください。
■質の高い健康保養地を目指して ~日本型クアオルト指標~
日本型クアオルトを目指す日本クアオルト協議会では、質の高い健康保養地を目指すために、日本型のクアオルト指標として、6領域60項目を示し、質の高い滞在型の健康保養地を目指しています。
→ 日本型クアオルト指標
■クアオルト健康ウオーキングについて
気候性地形療法を基本とし、日本の風土や環境、気候、国民性にに適合させた健康づくりの手法がクアオルト健康ウオーキングです。
山形県上山市では、ドイツの気候性地形療法を学びながら、ドイツのミュンヒェン大学から気候性地形療法コースとして5カ所8コースの認定を得ました。同時に、気候性地形療法を支援し野山をガイドするドイツの気候療法士の資格講習を参考に、日本の野山を気候性地形療法の手法で案内するガイドを養成しました。ガイドの種類は、「普及員」「実践指導者」「クアオルト・テラポイト」の3つに別れ、ウオーキングの品質を普段からブラッシュ・アップしています。
上山市を中心に全国で18カ所(大分県由布市、青森市浅虫温泉、秋田県三種町、山形県天童市、西川町、石川県珠洲市、愛知県名古屋市(街なかウオーキング)、岐阜県白川村、飛騨市、岐阜市、兵庫県多可町、岡山県新見市、三重県志摩市、静岡県小山町、宮崎県延岡市、埼玉県所沢市、横瀬町が、気候性地形療法を基本としたクアオルト健康ウオーキングを健康づくりとして実施しています。(2020.8月現在)
※2020年度には、新たに愛知県岡崎市、岐阜県関市、滋賀県高島市が開始します。
↓ 詳細は以下のバナーをクリック(サイト内「クアオルトとは > クアオルト健康ウオーキング」)
「クアオルト®」、「気候性地形療法®」、「クアの道®」は、
(株)日本クアオルト®研究所の登録商標です。
日本で初のクアオルト研究学者
日本クアオルト研究所 所長 小関信行が執筆
日本で初めて、ドイツのクアオルト(療養地)に関しての総合的な情報を提供するものです。
クアオルトの概念規定や認定、実際の施設構成や様々な計画作りなど、クアオルトの高品質な環境を作るための取り組みを紹介しています。
また、実際気候のクアオルトで取り組まれている、「気候療法と気候性地形療法」について、ドイツの第一人者 ミュンヒェン大学のアンゲラ・シュー教授が解説しています。
最後には、日本で初めて「気候性地形療法」に取り組む山形県上山市の実例や大分県由布市由布院温泉の取り組み情報が紹介されています。医科学的な情報だけではなく、今後の温泉地再生やまちづくり、健康づくりの手法も記載され、実践の手引書としても大変有効です。